乗り物自動車

自動車の高性能化だけでなく、ドライバーの安全を守ることにも炭素繊維は大いに貢献しています。

自動車用途では、まずレーシングカーでCFRPの活用が始まりました。CFRPにより単に軽量化できるだけでなく、高強度・高剛性のモノコックフレームがドライバーの安全確保に必須となっています。F1レーシングカーはモノコックフレーム以外の構造部材もCFRPからできており、高速安定性のみでなく、CFRPの衝突エネルギー吸収能の高さがドライバーの安全を守っています。

レーシングカーで実証されたCFRPの性能の高さは、高級車に普及し、CFRP採用が欧州車を中心に進んでいます。日本でも当社が乗用車のフード、スポイラーなどを生産しており、構造部材のみでなく、外観の高さが求められる外板部材にも展開が進んでいます。またフィラメントワインド法によって製造するプロペラシャフトのCFRP化が進んでおり、軽量化のみでなく衝撃吸収性向上による安全性向上が図られています。東レのプロペラシャフトは既に約100万台に採用されています。

このように炭素繊維の自動車用途への展開は急速に進んでおり、それを支え加速するための成形技術開発も東レ内で積極的に進められています。
自動車用途では一般乗用車用タイヤのサイドウォールに炭素繊維を適用しコーナリング安定性を向上させたタイヤが米国では既に市販されていますし、金属のチェーンの代替材として炭素繊維で強化したゴムベルトを採用したオートバイも市販されています。

このように炭素繊維は自動二輪車を含む自動車のあらゆる部材への展開が進められており、従来主流である熱硬化性樹脂複合材料に加え、今後リサイクル性に優れた熱可塑性樹脂複合材料の開発が進むことにより、さらに拡大が加速されるものと考えられます。