航空宇宙宇宙

比剛性・比強度、低熱膨張性、熱伝導性、吸湿性… 炭素繊維複合材料抜きに宇宙開発は語れません。

宇宙に衛星などを搭載したロケットやシャトルを打ち上げるには莫大なエネルギーと費用が必要であり、その重量は1gでも軽くすることが求められています。さらに高真空で強い宇宙線・紫外線に晒され、温度変化の極めて大きい環境下で寸法安定性の優れた材料が求められます。比強度・比弾性率に優れ、異方性を活用した最適設計による軽量化が図れる炭素繊維複合材料は軽量化に最も適した材料であり、かつ熱膨張係数が金属の約1/10と小さいことから温度変化による寸法安定性に極めて優れており、いずれの点からも宇宙用途に最適な材料となっています。
現在、ロケットの上部衛星搭載部、段間部、固体ロケットブースターケースなどにCFRPが使用され、また人工衛星は、船体フレーム、太陽電池パドル、アンテナ支柱、アームなどの多くの部分に使われています。スペースシャトルが再突入時の高熱に耐えるシャトル底部の黒いパネルも耐熱性に優れた炭素繊維複合材料が使われています。

宇宙では弾性率70tf/mm2を超える超高弾性率糸が求められる部位もあり、それらにはピッチ系炭素繊維が使われていますが、圧縮強度や引張強度が必要となる部位にはPAN系炭素繊維が必要であり、人工衛星およびロケットなどの大型化に貢献しています。今後、通信衛星等の打ち上げが年々増加する予定であり、PAN系炭素繊維の重要な用途として、拡大が期待されています。