スポーツゴルフシャフト

軽量で長尺化できるからヘッドスピードがあがり飛距離が伸びやすい。

ゴルフクラブの要求性能は“ボールが遠くへ飛び、方向性が良いこと”に尽きます。“飛び”に対しては、クラブをできる限り軽くしてヘッド速度を上げ、ボール初速度を早くすることが重要ですので、シャフトの軽量化が求められます。その際、折れないように強度を維持することが重要な課題となります。トレカ®では弾性率24tf/mm2の標準弾性率高強度糸や弾性率30tf/mm2の中弾性率高強度糸を開発し、曲げ強度を発現するストレート材の高性能化を実現しました。さらに、近年の軽量化シャフトでは、曲げ強度に加え“ねじり強度不足”による折れ対策も必要となり、バイアス層の高弾性率材の高伸度・高強度化などにより高性能化を実現しています。

もう一つの要求性能である“方向性”については、シャフトの中心軸とヘッドのボール打点がずれてヒッティングした時に生じるシャフトねじれが方向性を悪くしないよう、“ねじれ難く(ねじり剛性向上)”することが重要となります。ねじり剛性は積層角度0°および90°が最も低く、±45°が極大値を持つことから“ねじり低減対策”は±45°を積層に入れる方法が採られ、弾性率40tf/mm2の高弾性率糸はねじり対策バイアス材の定番材料として定着し、現在で46tf/mm2以上の高弾性率炭素繊維活用によりスチールシャフト同等のねじり特性を実現しています。
歴史的には、ゴルフシャフトにはヒッコリー材(強度が高く衝撃吸収性も高い)などの天然素材が当初使われていましたが、1920年代からスチールシャフトが現れ、1970年代以降はカーボンシャフトが主流となっています。

カーボンシャフトは1972年Shakespeare社が開発して以来、他のシャフトメーカも手掛け、国内では太平洋クラブマスターズトーナメントで優勝した米国G.Brewerプロが米国Aldila社CFRP製シャフトを使用していたことからマスコミに取り上げられ、脚光を浴びました。1973年にはオリムピック釣具社がトレカ®/ガラス繊維織物でカーボンシャフトの国産化に成功。当初85g/トルク12°であったが、翌年にはトレカ®100%使いで77g/トルク6.9°が登場し、革命とも言われた“ブラックシャフト”大ブームを作りました。

プリプレグを使用するシートワインド成形によるシャフトは、長手方向に対して、±45°の内層(アングル層あるいはバイアス層と呼称)と、長手方向0°材(ストレート材と呼称)およびヘッドホーゼル部の補強・補厚材が基本構成であり、シャフト特性はこれらの組合せで、“フレックス、トルク、重量、キックポイント等”が決まります。炭素繊維では積層角度および厚みなどの組み合わせから、従来の金属材料では不可能であったこれらの性能を最適設計することが可能となり、最適性能を最軽量で実現する材料となっています。

このようにゴルフシャフトのフレックス、トルク、重量、キックポイント等の要素を各ゴルファーの体力に合わせて、方向性の優れた良く飛ぶクラブにするため、炭素繊維の特性を活用して最適な設計を行い、アベレージゴルファーからトッププロまで、又ハードヒッターからシニア・女性ゴルファー向け等、多種多様のシャフトで採用され、現在では、ウッドでほぼ100%、アイアンでは65%がカーボン化されたと言われています。今後もゴルフの進化を支える重要な材料となることは間違いありません。